口笛

電車を降りたら

だれかの口笛が聞こえてきた

 

その人は  硬いカバンをもって

センタープレスの入ったスボンに

腕まくりしていた

 

いちにちの疲れとねぎらいがまざって

かろやか〜な リズムだった


聞いていても苦しくない

なんだか爽やかな

かわいい感じ

 

 

日々を生きてる

繰り返しを生きてる

 

それって  そんなにつまらないことじゃない

 

 

なんやかんやある中に

実は 小さなチラチラが

ちりばめられていたりする

 

 

帰ったら

今日はもう  洗い流して  たくわえて

いつもの声に  癒されたり

励まされたりするんだろな

 


明日はまた   電車に揺られて

パソコンに魂を打ち込むのかもしれない

 

でもそれって、

そんなにつまらなくもない

 

 

よくやってるよ、自分

とやさしく励ますようで

どこか楽しんでる

そんな口笛

 

そうだったらいいな

 

 

たいへん たいへん

私の中の 承認欲求が、

ちょっと大きくなりすぎた

 

大丈夫?

今日はとくべつ   心の中でさわいでるね


人が褒められてるのを

あんまりいい気持ちで みてないね

 

(なんで自分はこうじゃないんや)

 

そんな気持ちになるってことは、

なんかうまくいってないんやね

 

 

大丈夫、わかるよ、


がんばった分だけ、褒めてほしい

「それ、いいね!」って認めてほしい

「〇〇さん、すごい!」って言ってほしい


わかるよ、わかる。

その気持ちは、恥ずかしくない。

みんな持ってるよきっと。

 


でも、

一旦深呼吸しとこう。

 

 

その声が大きくなりすぎると

心を占領しちゃうから

 

大事にしたい気持ちが  

端っこに追いやられるから


それがすき?

今、たのしい?

このためにならがんばろう、って思える?

 


そうやったそうやった

それがゆらゆらしてたから

吹き飛ばされそうになってたんかな

 

自信をもって(はい)とは言えないけど

ちょっと真ん中にもどってこよう

 

 

くらべる くらべる

 


あの人は  あんなにできる

あの人は   あんなに楽しそうに人と話せる

 

くらべる  くらべる

 

まあまあ、そんな気にせんでも

大丈夫

 

いいとこあるって  私にも

 

あの人だって、私に

「こんなことできて すごいな〜」って

思ってるかもよ?

 

そんなもんよ、

人からみた私は  わからない

 

 

いつか、「こんな所がいいなって思ってたよ」

って誰かが言ってくれるかもしれんし

 

いいとこあるって

思っとこ

 

ことばの泡

 

すてきなもの、きれいなものをみて

心動いた瞬間の   その心模様

 

それはそのまま  もっておきたい

 

定義づけたり

既にある言葉に  はめようとすると

もうちがうものになってる

 

そうじゃないはずだったのに

いつの間にか  形が変わってる

 

ふわふわした感じとか

煌々とした感じとか

あったかあい感じとか

そういうのをそのまんま  もっておきたい

 

キラキラしたガラスみたいな

キラメキごと、もっているのが

いちばんいい

 

 

 

 

 

 

 

この世でいちばん つらいこと

 

この世でいちばん つらいこと

想いが 伝わらないこと

あなたが わたしに 気づかないこと

 


この世でいちばん つらいこと

出口をふさがれること

終わりがないこと

 


この世でいちばん つらいこと

望みが  消えること

味方が  消えること